財産分与で損しないために。対象になる財産・ならない財産
結婚後に築いた財産は、名義が夫でも半分は受け取れます。これが財産分与。何が対象になり、何が対象外か、へそくりや退職金はどうなるのか。見落としがちなポイントを解説します。
離婚時のお金で、慰謝料と並んで重要なのが「財産分与」です。結婚生活の中で夫婦が協力して築いた財産は、たとえ名義が夫であっても、原則として半分ずつ分け合えます。専業主婦であっても「家庭を支えた貢献」が認められ、原則2分の1が基本です。ところが「夫の名義だから自分には関係ない」と思い込み、本来受け取れたはずの数百万円を諦めてしまう人が少なくありません。財産分与で損をしないために鍵となるのは、①何が対象で何が対象外かを正しく知ること、②相手の財産を正確に把握すること。この記事では、財産分与の対象・対象外の区別と、退職金やへそくりなど見落としがちなポイントを解説します。
財産分与の対象になるもの
結婚後に夫婦の協力で築いた財産は、名義に関わらず対象になります。
- 預貯金(夫名義でも対象)
- 不動産・自動車
- 生命保険・学資保険の解約返戻金
- 有価証券・投資
- 退職金(一定の条件下で対象になり得る)
対象になる・ならない 早見表
| 対象になる(共有財産) | 対象外(特有財産) |
|---|---|
| 結婚後の預貯金(夫名義も) | 結婚前から持っていた財産 |
| 結婚後に買った不動産・車 | 相続・贈与で得た財産 |
| 保険の解約返戻金 | 独身時代の貯金 |
| 退職金(条件下)・へそくり | 各自固有の慰謝料など |
対象にならないもの(特有財産)
次のような財産は、原則として分与の対象外です。
- 結婚前から各自が持っていた財産
- 相続や贈与で得た財産
見落としがちなポイント
① 退職金
まだ受け取っていない退職金でも、近い将来に支給が見込まれる場合は、対象に含められることがあります。
② へそくり・隠し口座
夫が内緒で貯めていたお金も、結婚後に築いたものなら対象です。だからこそ、夫名義の口座を事前に把握しておくことが重要になります(隠し財産の探し方)。
③ 借金(マイナスの財産)
住宅ローンなど夫婦の生活のための借金は、財産分与の計算で考慮されます。家とローンの扱いは離婚と住宅ローンで詳しく解説しています。
④ 年金分割も忘れずに
婚姻期間中の厚生年金は年金分割で分け合えます。財産分与とは別の手続きで、請求し忘れると損をします。
分与を確実にするために
財産分与は「相手の財産を正確に把握できているか」で結果が変わります。話し合いを切り出す前に、財産のリストを作っておきましょう(離婚準備チェックリスト)。相手が財産を隠している疑いがある場合は、弁護士を通じて調査する方法もあります。
財産分与でまず押さえるのは、何が対象で何が対象外かです。ここを間違えると交渉がずれます。
対象になるのは婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産です。預貯金、不動産、自動車、保険の解約返戻金、有価証券、そして退職金(すでに支給された分や、近く支給が見込まれる分)も含まれます。名義がどちらであっても対象である点が重要です。
対象外になるのは特有財産です。結婚前から持っていた財産、婚姻中に相続や贈与で得た財産がこれにあたります。
分与の割合は原則2分の1とされています。収入に差があっても、家事や育児による貢献が評価されるためです。
借金の扱いも確認が必要です。生活のための借入は考慮されることがありますが、個人的な浪費による借金は対象外とされるのが一般的です。住宅ローンについては住宅ローンが残る家の扱いにまとめました。
実務でつまずくのが相手の財産の把握です。相手名義の口座や保険は、こちらからは見えません。別居する前に通帳や保険証券のコピーを取っておくことが効いてきます(隠し財産を見つける方法)。
そして請求には期限があります。離婚から2年を過ぎると請求できなくなるのが原則です。年金分割も同様に2年の期限があるため、あわせて確認してください(年金分割の手続き)。
本記事は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。判断は個別の事情によって変わります。実際の対応にあたっては弁護士にご相談ください。費用が心配な場合は法テラス 0570-078374で無料相談や費用立替の制度を案内してもらえます。
分与の対象を確定するには基準時が問題になります。一般に別居した時点の財産を対象とすることが多いとされています。
つまり別居後に増えた財産は対象外になりやすいということです。逆に、別居前に相手が財産を移していれば、それは対象に含めて主張できます。
だからこそ別居時点の残高を押さえておくことに意味があります。通帳のコピーや残高証明を取っておいてください(別居の準備)。
分与を受けたときの税金も確認しておいてください。一般に、財産分与として受け取る金銭には贈与税がかからないとされています。
ただし不動産を受け取る場合は、登録免許税や不動産取得税、将来売却したときの譲渡所得など、別の論点が出てきます。金額が大きい場合は税理士にご相談ください。
そして合意の内容は必ず書面にしてください。「後で渡す」という口約束は、離婚後に守られないことがあります。
不動産や自動車が含まれる場合は、名義変更の期限も書き込んでおいてください。
そして相手の同意が得られない場合は、調停や訴訟で判断を求めることになります。話し合いだけで諦める必要はありません(調停の流れ)。
そして退職金は見落とされやすい項目です。まだ受け取っていなくても、支給が見込まれる分は対象になり得ます。相手の勤続年数と退職金規程を確認してください。
よくある質問(FAQ)
- Q. 専業主婦でも半分もらえますか?
- A. 原則として2分の1が基本です。収入がなくても家庭を支えた貢献が評価されます。
- Q. 不倫した側でも財産分与は受けられますか?
- A. 財産分与は「貢献の清算」なので、不貞の有無とは別問題です。ただし慰謝料と相殺されることはあります。
- Q. オーバーローンの家はどうなりますか?
- A. 価値がローン残債を下回る場合、分与対象にならないことが多いです。詳しくは住宅ローンの記事を。
- Q. 財産分与に時効はありますか?
- A. 原則として離婚成立から2年が目安です。早めに取り決めることが大切です。
本記事は一般的な情報であり、法的助言ではありません。個別の計算は弁護士にご相談ください。
財産分与は、あなたが結婚生活で果たしてきた貢献の対価です。「夫の名義だから」と諦める必要はありません。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の判断については、必ず弁護士等の専門家にご相談ください。